教授のひとりごとBlog
東京医科大学で学ぶ学生の皆さんを応援します(一戸辰夫)
2018年8月5日
(注:以下の記事は、一戸個人の意見であり、本教室の教室員や広島大学の見解を表明するものではありません。)
8月2日、マスメディアを通じて、東京医科大学の一般入試で、少なくとも最近数年間にわたり、女子受験者の得点が一律に減点されていた可能性があることが報道された。受験生に対しては不正を決して許さない立場の大学側が、受験生に知られないところで性差別による採点を行なっていたという極めて由々しき内容である。もし、誤報であるとすれば、大学側から即座に抗議があるはずだが、8月5日12時の時点において、東京医科大学の公式ホームページには、本件について全くコメントがなされていない。生業として医学教育に携わる一個人として、先月上旬に、文科省現役職員の逮捕に至った不正入学の問題が発覚して以来、もっとも大きな被害を受けているのは、同大学で学ぶ学生たちや同大学関連の医療機関で働く一般職員たちではないかと憂慮している。
今回の事態は、New York Timesや人民日報、Le Mondなどをはじめとする、海外の代表的なメディアにおいてもセンセーショナルに報じられており、国際社会に対して日本社会の「後進性」をアピールする形となった。しかし、そもそも高等教育における事実上の性差別の存在は、わが国に限らず世界共通の「old and new problem」であり、誰にとっても対岸の火事ではないことを確認しておきたい。
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