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教授のひとりごとBlog

バオバブが倒れた日

2013年12月6日

日本時間で本日の未明(現地12月5日夜)、ネルソン・マンデラ氏がヨハネスバーグの自宅で安らかに激動の人生を閉じたとのことである。享年95歳。氏の自叙伝の中にある言葉として、”People must learn to hate, if they can learn to hate, they can be taught to love, for love comes more naturally to the human heart than its opposite.(憎しみは学ばなければ身につかないものであり、もし憎しみを学べるのであれば、愛することを学ぶこともできるはずだ。愛はその逆の感情よりも自然に心に届くはずであるから。)”は良く知られている(注1)。あらゆる困難を克服し、人種差別と人種隔離政策撤廃のために貫かれたその生涯を表現する称号には、ノーベル平和賞受賞者・南アフリカ共和国第8代大統領というよりも、やはりアフリカ民族会議の議長がふさわしい。同会議の公式HPに早速掲載された追悼文には、「南アフリカと同様にアフリカ全てを愛した大きなバオバブの木が倒れた」と記されている(注2)。

注1)Long Walk to Freedom: The Autobiography of Nelson Mandela.  Little Brown Co. (1994) 日本語版「ネルソン・マンデラ自伝・自由への長い道」(東江一紀・訳、NHK出版、1996年)

注2)バオバブはアフリカ・マダガスカル・オーストラリアのサバンナに生息する美しい巨樹。サン・テグジュペリ「星の王子さま」の愛読者であれば知らぬ者はないだろう。

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